外国人エンジニアの給料事情を徹底解説|相場・決定ポイント・注意点まとめ

作成日:2025年3月23日
最終更新日:2025年3月23日

国内で進むエンジニア不足を補う手段として、外国人エンジニアの採用を検討する企業が増えています。しかし、「外国人エンジニアの給料はどう決めればいいのか?」「日本人エンジニアと同じなのか、それとも違うのか」といった疑問を持つ経営者や人事担当者も少なくありません。適正な賃金水準を把握しないまま採用を進めると、法的リスクだけでなく早期離職の原因となりかねません。本記事では、外国人エンジニアの給料相場や決定要因、企業側が注意すべき賃金設定のポイントをわかりやすく解説します。

外国人エンジニアの給料は日本人と同等以上が原則

まず、大前提として外国人エンジニアの給料は、日本人と同等以上の待遇が原則とされています。これは入管法で「日本人と同等以上の報酬を支払うこと」と定められているためです。つまり、同じ業務内容やスキルレベルであれば、日本人エンジニアと比較して不当に低い給料を設定するのは違法と判断される可能性があります。

しかし実際には、役割や国籍、勤務地、業界、技術レベルなど複数の要素が絡むため、企業によって賃金設定にばらつきがあります。日本人であっても、同じエンジニア職種でも年収幅が大きいように、外国人エンジニアの場合も一概に「何万円」と断定できないのが実情です。

外国人エンジニアの給料相場を左右する要因

外国人エンジニアの給料を考える際に、企業が考慮すべき代表的な要因は以下の通りです。

業界や職種の需要と競争

AIやデータサイエンス、クラウドインフラなど先端領域のエンジニアは世界的に需要が高く、報酬相場も上昇しています。一方、比較的経験者が多いWebフロントエンド開発やテスター職の場合、給与水準が他より低く設定されることもあります。海外人材といえど、市場の需給バランスが賃金を大きく左右します。

学歴・実務経験とスキルセット

大学や大学院で機械学習やロボティクスを専攻した人、海外大手企業やスタートアップでリードエンジニアを務めていた実績を持つ人など、高度な学歴・職歴を持つ外国人エンジニアは給与が高めになる傾向があります。英語力に加え、日本語スキルの高さやプロジェクトマネジメント経験なども報酬アップ要因になるでしょう。

勤務地と生活コスト

東京や大阪、名古屋など大都市圏では、家賃や物価が高い反面、エンジニアに対する求人需要も強いため、賃金相場が上がります。地方都市の場合は賃金水準がやや低くなることがありますが、その分生活コストが抑えられるため、外国人エンジニアにとって魅力的に映る場合もあります。

実際の給与レンジ|事例から見る大まかな数値

あくまで目安として、以下のような給与レンジが一般的に見られます(年収ベース)。

  • 初級エンジニア(経験1〜2年):300〜400万円程度
  • 中級エンジニア(経験3〜5年):450〜600万円程度
  • 上級・リードエンジニア(経験5年以上):600〜800万円以上

海外のトップ大学卒や大手グローバル企業でリーダー経験があるような高度専門職レベルの人材なら、年収800〜1000万円超のオファーも珍しくありません。一方で、これは日本国内のIT・製造業界の平均水準や競合状況によって大きく変動するため、実際には企業と候補者の交渉次第で決まります。

給料設定と法的リスクを避けるための注意点

外国人エンジニアの給料設定では、日本人エンジニアと同等かそれ以上の報酬を提示しなければなりません。法令遵守やトラブル回避のためにも、以下の点に留意しましょう。

賃金テーブルの整備と説明

何らかの理由で日本人エンジニアより低賃金になっている場合、入管審査や後々のトラブルにつながるリスクが高いです。賃金テーブルや就業規則をしっかり整備し、日本人社員とのバランスが取れているか説明できるようにしておきましょう。

多言語での契約書と評価制度

契約内容を本人が正確に理解できるよう、多言語版の契約書や評価制度を用意することが理想的です。日本語だけでは誤解が生じる可能性があるので、英語などで詳細を明確にし、給与や昇給、残業代などを透明化しましょう。

ビザ更新や家族帯同への配慮

ビザの更新時に給与水準や業務内容が変わりすぎると審査が厳しくなり、更新ができないリスクがあります。家族帯同の手続きが必要な場合もあるため、在留資格管理を怠らずに行うとともに、登録支援機関や行政書士と連携して対応するとスムーズです。

まとめ

「外国人 エンジニア 給料」は日本企業が国際競争力を強化するうえで注目を集めるテーマですが、適正な賃金設定や法的リスク回避には慎重な対応が必要です。日本人より低く設定すれば違法と判断される可能性があり、候補者との信頼関係にも影響を及ぼします。
相場を把握しながら、学歴・実務経験スキルセット勤務地といった要素を総合的に考慮し、日本人と同等以上の公正な報酬を提示することが企業にも有益です。正しく管理された給料体系と、ビザ更新・生活支援のための仕組みを整備すれば、海外からの優秀な人材が長く活躍してくれることで、社内の技術力や多様性が一段と高まるでしょう。

セカジンの背景

外国人留学生の就職説明会

20256/7(土)10:00-17:00